2013年1月9日水曜日

3D Printerの市場規模

3D Printerの市場規模

Whohlers Associatesの調べによると、2011年に$4000以下の3D Printerの累計出荷台数は、23,265 台となっている。この調査では、$4000以下の3D Printerに絞っており、高価な産業用の3D Printerの出荷台数はほとんど含まれていない。2011年だけで、約2万台の$4000以下の3D Printerが出荷された事になり、昨今のMakersブームを背景に、個人向けの3D Printerの出荷台数が急速に増えている。2012年には、累計出荷数が5万台を突破したと推測でき、2013年の今年は、2.5万台〜5万台、10万台を突破するのは2014年〜2015年あたりになると推測される。
このDesktop 3D Printerの急速な普及には、オープンソースハードウェアの3D Printer開発プロジェクトであるRepRap Project ( http://www.reprap.org/wiki/Main_Page )を起点としている。印刷手法に、特許の期限がきれた融解フィラメント製造(FFF)を用いる事で、オープンソースハードウェアという形で実現されている。FFFは、一般にはFDM(Fused deposition modeling)とも言われている。

RepRapプロジェクトは、イギリスのバース大学( http://www.bath.ac.uk/ ) Adrian Bowyer博士により始められたプロジェクトである。2008年2月9日に最初のRepRapであるRepRap 1.0 "Darwin"が公開される。また、米国で2007年5月27日に、RepRap研究財団(RepRap Blogより)が設立されている。MakerBot Industriesの創業メンバーのZach Smithは、この財団の創業メンバーの1人である。このような背景から、MakerBotは、RepRapから派生して設立した会社だといえる。

MakerBot Industries

MakerBot Industries( http://www.makerbot.com/ ) は、New Yorkのブルックリンをベースとしたベンチャー企業である。Adam Mayer、Zach Smith、Bre Pettisの3名により設立される。既出の通り、Zach Smithは、RepRap研究財団の創業メンバーでもある。MakerBot Industriesは、個人向けの3D Printerキットを販売する事からビジネスをスタートしている。特徴としては、オープンソースハードウェアとして、Kitの設計図を公開している事にある。また、その価格帯も$1000-$2000と、非常に安価に設定されている。MakerBot Industriesが、急拡大中の個人向け3D Printer市場を牽引しているといえる。

Thing-O-Magic(2010年発売)
MakerBot Industriesは、現在までにCupcake CNC、Thing-O-Matic、Replicator、Replicator2といった製品を販売している。Cupcake CNC、Thing-O-Matic、Replicatorまではオープンソースハードウェアだったが、Replicator2からはクローズになっている。

MakerBot Industriesの製品群

MakerBot Industriesの最近の出荷数と売上げ
年度 出荷数 従業員数 売上げ
2009 750台 5人 $562,500(5062万円:90円換算)
2010 2300台 25人 $5,520,000(4億9680万円:90円換算)
2011 3500台 54人 $8,400,000(7億5600万円:90円換算)

MakerBot  Industriesの売上げは順調に伸びており、2012年には10億円を突破したものと予想できる。MakerBot Industriesは、2011年9月にベンチャーキャピタルから$10百万ドルの出資を受けている(CrunchBaseより http://www.crunchbase.com/company/makerbot )。

米国では、DARPAがThe Manufacturing Experimentation and Outreach (MENTOR)計画を発表しており、米国の高校 1000校に2014-2015年までに3D Printer等を導入する事を予定している。また、米国のバラクオバマは、全米にFab Lab的な施設を開設しようという試みのAdvanced Manufacturing Partnership (AMP)というプロジェクトを発足し、$500百万ドル投資を表明している。

大手3D Printerメーカー

世界の3D市場規模は、Whohlers Associatesによると2015年に37億ドル、2019年に65億ドルの市況規模に到達すると予想されている( http://wohlersassociates.com/press56.htm )



特許の期限がきれた融解フィラメント製造(FFF)を武器に新興勢力の3D Printerベンチャーが急成長する中、大手3D Printerメーカーの再編も進んでいる。大手3D Printerの中でも、STRATASYSと3D SYSTEMSの成長やM&Aの勢いが加速している。産業用の3D Printerは、数百万から数千万円を価格レンジだったものの、最近のDesktop 3D Printerブームの影響で、その価格帯も100万円を切る商品のリリースが相次いでいる。

STRATASYS


http://www.stratasys.com/

FDMをベースにした3D Printerの代表的な企業。最近、イスラエルのObjectと合併。

最近の試み
最近の買収関連ニュース
  • 2012年11月3日  Stratasys, Inc(米国)とObjet Ltd.(イスラエル) が合併 ( PressRelease )

STRATASYSの3D Printer製品



製品名 印刷サイズ 色数 印刷手法 米国価格
mojo 127x127x127mm 単色 FDM $9,900
uPrint SE 203×152×152mm 単色 FDM $15,900
Objet24 240x200x150mm 単色 ProJet $19,900
uPrint SE PLUS 203×152×152mm 単色 FDM $20,900
Dimension 1200es 254x254x305mm 単色 FDM $32,900

3DSYSTEMS


ここ3年で、30社以上を買収。$2000以下の個人向け3D Printer Cubifyを発売するなどし、新規市場を開拓中。世界でただひとつのフルカラー3DであるZPrinterなども販売している。リアルな顔の印刷などは、ZPrinter 650のフルカラー機能で印刷している( http://cubify.com/blog/face-off/ )

最近の試み
最近の買収関連ニュース

3DSYSTEMSの3D Printer製品


製品名 印刷サイズ 色数 印刷手法 米国価格
Cube 140x140x140mm 単色 FDM $1,543
CubeX 275x265x240 mm 単色 FDM $3,588
Projet 1000 171x203x178 mm 単色 FDM $10,900
Projet 1500 171x228x203 mm 単色 FDM $14,900
ZPrinter 150 236x185x127mm モノクロ PP $14,900
ZPrinter 250 236x185x127mm 64色 PP $24,900
ZPrinter 350 203x254x203mm PP $25,900
ZPrinter 450 203x254x203mm 180,000色 PP $40,000
ZPrinter 650 254x381x203mm 390,000色 PP $59,900
VIPER SYS 1500x750x550mm 単色 SLA >$180,000
iPro 8000 650x750x550mm 単色 SLA >$400,000
iPro 9000 650x750x550mm 単色 SLA >$900,000

その他
CONCEPT Laser

CONCEPT Laserは、ドイツに本拠地をメーカーである。金属粉末を溶解して3Dモデルを作成する3D Printerを販売している。


製品名 印刷サイズ 印刷手法 価格
M1 Linear 250x250x250mm LaserCusing 不明


データ共有/販売サービス

3D Printerの普及にともない、3D Printer向けデータの共有や販売するデータサイトも競争が激化している。

3D Printerのデータ共有およびデータ販売サービスでは、3D Printのデザインをサーバにアップロードし、そのデータの共有や売買が可能な仕組みになっている。Shapewaysによれば、2011年時点で3Dモデル 23万8000モデル、利用ユーザ数 10万登録、Shapeways経由での売買 $27万ドルとの統計情報を発表している(出典 Shapeways Blog http://www.shapeways.com/blog/archives/1155-A-Portal-into-the-Future-2011-in-Review,-and-Whats-to-Come.html )


THINGIVERSE
   http://www.thingiverse.com/
 
   Makerbot Industriesが運営、3D Dataやレーザーカッターのデータなどを共有。

Freedom Of Creation
   http://www.freedomofcreation.com/

3D Systemsが買収。プロのファッションデザイナーによりデザインされた商品を販売。製品は、3D Printerで印刷されて出荷される。

i.materialise

   http://i.materialise.com/

ベルギーのMaterialiseが運営。Mammoth SLを保持している(2,100 x 700 x 800mmのサイズの印刷が可能)

Shapeways
   http://www.shapeways.com/

2011年時点で3Dモデル 23万8000モデル、利用ユーザ数 10万登録のデザインデータが登録されいる。

sculpteo
   http://www.sculpteo.com/en/

フランスベースのデータシェア/印刷サービス。

Ponoko
    https://www.ponoko.com/

Autodeskにより運営。デザインデータの販売と、そのデータから生成された商品の販売をおこなっている。

Kraftwurx
     http://www.kraftwurx.com/

ドイツベースのデータ共有ポータル。

まとめ

特許の期限がきれた融解フィラメント製造(FFF)をベースとして、新興勢力の3D Printerベンチャーにより、Desktop 3D Printer市場が急速に拡大しつつある。大手3D Printerメーカーの3DSYSTEMS、STRATASYSの2社も活発な投資やM&Aにより、廉価版のDesktop 3D Printerの市場に参入してきている。2012年には$4000ドル以下のDesktop 3D Printerは累計で5万台の出荷を突破し、2014-2015年には累計で10万台の3D Printerが世の中に普及している事になると予想できる。

昨今のMakersブームにより、このような廉価版の3D Printerの出現は、「ビットからアトムへの革命」のキラーツールになると考えられている。3D Printerの普及台数が増えるにつれ、3D Printer用のデザインデータの共有や販売サイトへの需要が拡大していく。

Makersの個人が作成したデザインデータがクラウドに共有され、そのデータを自宅で印刷できるようになる時代がもうすぐ到来しようとしている。

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